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ハワイの文化的価値をデザイン化したNick Kucharのワッペンパッチ

ハワイの人気アーティストであるニック・カッチャー(Nick Kuchar)さん。2020年にはカイルアに直営店をオープンし、コロナ禍でも勢いが止まらないニックさんが、ハワイ語とハワイの文化的バリューをデザインした素敵なワッペンパッチセットをリリース。

売り上げの利益は100%地元の非営利団体へ寄付され、それぞれのデザインテーマによって寄付先が分かれている。全部で6デザインのセット売りで、ネイティブハワイアンの友人やカルチャーセミナーを通じて学んだハワイアン・バリューにフォーカスしているそうだ。

15年前にアメリカ本土からハワイへ移住したニックさん。当初は、ハワイでのサーフィンやハイキングが移住の主目的だったそうだが、ハワイの豊かでユニークなカルチャーやバリューに興味を持ち、積極的に学ぶことによって、ディープなハワイや地球とのつながりを感じられる素敵なワッペンが誕生した。

そして、ハワイのコミュニティーをサポートしたいという思いで、ワッペン売り上げの全利益を様々な団体へ寄付している姿を少しでも見習いたいと思う。特にパンデミックになって、困難な生活や状況に多くの人々が強いられながらも、その一方でハワイでは様々なシェアアロハが広がっていると感じる今日この頃である。

 

Alaka‘iとMālama

アラカイ(Alaka‘i)とはリーダシップ・バリューのこと。天体観測で自己の位置を確かめる航行を行っていたハワイアン祖先の船長は、星を頼りに航海を行い、乗組員たちのリーダーとしての役割を担っていた。

カヌーでの航海においては、夜空に光る南十字星は緯度を知る上で主要な手がかりとなり、ハワイへ向かう上で重要な座標となっていた。つまり、南十字星は航海者たちにとって希望となっていたのである。

このワッペンには、南十字星とカヌーのデザインがニックさんらしいスタイルで描かれている。

マラマ(Mālama)とは、大切にする、守るという意味。ワッペンのデザインには、大地(‘āina)から太陽が昇り新しい1日が始まる様子をキャプチャーされ、希望を表現している。そのデザイン背景には、ニック氏にとってのマラマ、つまり極力再利用素材を使用して環境に優しい生産を行うという、彼が大切にしているものづくりへの思いも込められているそうだ。

この二つのワッペン売り上げの利益は全て、カイルアにある非営利団体クパ・アイナ(Kupa ʻĀina)へ寄付される。クパ・アイナは、持続可能な食の生産方法やハワイ文化をベースにした農業実験を行っている。

 

AkahaiとPono

アカハイ(Akahai)は、思いやり、優しさを意味する。ハワイ文化アドバイザーであるカイノア・ホーカジョ(Kainoa Horcajo)氏は、アカハイのバリューをワイパヘ・ワレ(Waipahē Wale)と表現する。これは 「静水のような穏やかさ」というハワイ語の意味となり、優しくて苦労の跡なく温和に生きている人のことを意味するそうだ。

ニックさんは、この言葉がハワイの絶滅危惧種である鳥、アエオ(ae‘o)が、穏やかな水場の近くを優雅に楽々と飛んでいる様子を連想させることから、鳥を描いたデザインにしたそうだ。

ポノ(Pono)とは、地球上のすべてのことが本来あるべき状態のことで、正しさ、インテグリティ、バランスというバリューを意味する。『Pono』の『O』に描かれている太陽のデザインは光や善徳を表現し、リピートされる『Pono』の言葉は、次世代へと続いていく人生のバランスや正しさを象徴し、ポノはハワイ州の標語の中にも使用されている。

これらのデザインの売り上げの利益は、ハワイとアメリカのチャイルドセックストラフィッキングを根絶するための団体、ホーオラ・ナ・プア(Ho‘ōla Nā Pua)へ寄付される。

 

 

Ka Lā Hiki OlaとHo‘okipa

カ・ラ・ヒキ・オラ(Ka Lā Hiki Ola)とは楽観的な希望、期待を意味する。世界中のどこよりも虹をたくさん見ることのできるハワイは、特別で神聖な場所である。ニックさんは人々がこのワッペンを見たときに、気持ちが鼓舞され、前向きになれるようなデザインにしたいと思ったそうだ。

ホオキパ(Ho‘okipa)とは、歓迎、楽しませる、ホスピタリティーを意味する言葉。ハワイの住人はアロハ精神をシェアして、ゲストの人々を歓迎し、そしてアロハが巡り巡ると信じている。

そして、ハワイのホスピタリティーの象徴の一つといえばお花のレイ。このデザインにもレイが描かれ、カラフルで楽しいアートとなっている。レイとして表現した花はプルメリア。ニックさんのお気に入りの花だそうだ。干ばつにも強いプルメリアはハワイのあちこちに植えられており、甘くトロピカルな香りを漂わせてくれる。

この二つのデザインの売り上げの利益は、ハワイで里親の募集や、訓練プログラムなどを行う非営利団体、フイ・ホオマル(Hui Ho‘omalu)へ寄付される。ハワイでは、約1700人の子供達が様々な事情で親と一緒に住むことができず、里親制度に登録されている未成年者の約半分がネイティブハワイアンであると言われている。

 

Nick Kuchar Art & Design Co.

629 Kailua Road Suite 120
Kailua, HI 96734
(808) 744-0777
営業日 月-土10 – 6pm 日曜11 – 4pm
https://www.nickkuchar.com

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